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アカハチ 沖縄・八重山の英雄オヤケ赤蜂を探して

¥3,080 税込

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髙﨑 彰 著
Hagazussa Books 刊
A5判/304P/並製(ソフトカバー)

▼作品紹介
石垣島、八重山諸島に伝わる英雄伝説――
逆賊とも呼ばれたアカハチの正体に迫る

沖縄・波照間島で生まれ、のちに石垣島の大浜村(現在の石垣市大浜) を根拠地とした豪族の首領となったといわれるオヤケアカハチ。正義感が強く、島の自由のために先頭に立って権力にたち向い、八重山の人々から太陽と崇められ信望を一身に集めていた――。そう伝わる一方で、赤い髪に不思議な色をした眼……日本人離れしたその風貌からか、“ 逆賊 ” であったという説もある。そんな沖縄の英雄に魅せられた研究者が、50年前に書いた論文をもとに最新研究を加え、オヤケアカハチ考をまとめたのが本書だ。今なお八重山の人々の信仰の対象として崇められ続けているアカハチの正体とは――? その謎に迫る。

▼目次
はじめに
第 1 章 50 年ぶりの八重山の島々を訪ねて
第 2 章 卒業 論文『オヤケ赤蜂の乱の研究』(1971 年)
第 3 章 学術論文『「李朝 実録」より見た 15 世紀末の南西諸島・先島社会』(1971 年)
第 4 章 調査報告書『古見の御嶽』(1969 年)
第 5 章 最近の<オヤケアカハチ>をめぐる研究・実践の動向
おわりに

▼推薦コメント
これはすごい本が出たものだ。

いまから50年あまり前、八重山と宮古の歴史に興味をもった若者が地域に残された伝承や記録をもとめて、ノートを手に歩き回っていました。大学生だった著者は、八重山の郷土史の大家だった喜捨場永珣(きしゃば・えいじゅん)先生にも直接教えを請いながら、忘れられた地域の英雄アカハチに注目して、大部の卒論をまとめます。

その内容は、八重山の地域史をずっとウォッチングしていたつもりの私などが見落としていた、西表島のリーダーと宮古島のリーダーの知恵比べの伝承もきちんと収録され、戦いに勝った側から書かれるのが常である歴史を問い返すことの必要性を、説得力ゆたかに展開しています。

卒論を踏まえて、八重山や宮古のようすが初めて歴史の記録にとどめられた1479年の朝鮮王朝実録をたんねんに読み解いて、その頃の南の島ごとに少しずつ違う農業や暮らしの民俗を読み解き、わかりやすく整理して紹介した研究は、佐々木高明氏などが注目するようになる学界の動きに何年もさきがけるものでした。

髙﨑氏は、その後、教育畑を歩き、小笠原での中学校長などとして活躍しましたが、若い頃の南の島々の研究への情熱を燃やし続けていました。その後の研究の展開を紹介し、スケッチブックを抱えた奥さんをともなっての再訪は、たんなるセンチメンタルジャーニーではない、再確認と情報発信の旅となったのでした。

敷居は低く、しかも奥深い。同書は、歴史に興味がある人にお勧めです。宮古や八重山に惹かれる人にとっては、目から鱗の内容もあるでしょう。特に、地域を対象にする学問を学生に学ばせるはずなのに、新型コロナウィルスのために学生をフィールドに送れないでいる大学教員たちにとっては、貴重な教科書です。学生がこれを読めば、地域史をテーマにする卒論や修士論文がどの程度の高みに達することができるか、またその出会いを生涯にわたるものとして大切にしていくことができるかを示す、すばらしい教材だからです。

山口県立大学名誉教授・安渓遊地氏

▼著者プロフィール
髙﨑 彰(Akira Takasaki)
1947年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会行政職、亜細亜大学国際関係学部特任教授などを歴任。長年教育に携わってきた一方で、大学在籍時に研究に勤しんだ沖縄史、朝鮮史、西域史の研究を続ける。

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